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0 3 5 3  「気配」が「場」に遷移する瞬間の状態
新建築住宅特集2006年1月号 20の建築家・20の意見

五十嵐淳 : 茫漠とした原野の中に・・・
- もはや、「住宅」ではなく「場所」ということ、茫漠とした原野の中に、人が「場所」を選ぶ動機づけや、そのきっかけをつくり出すことに今、自分の興味の中心があると認識している。「一本の木=柱」また一本の柱が生み出す「気配」が集積し、やがて「場」になるということ。「気配」を「よりどころ」にさまざまに「居場所」が生まれ、そして場面の「定位」または無意識の「定位」が生まれること。「気配」が「場」に遷移する瞬間の状態。このような意識・認識・感覚や、離れていても近くに感じたり、近くにいても遠くに感じることなどの一本の柱になるような「きっかけ」をどのようにつくり出せばよいのか・・・。

以前のエントリーでの五十嵐さんとのコメントのやりとりで見えてきた、"「気配」が「場」に遷移する瞬間の状態"という視点。興味の中心が同じところにあるのはとてもうれしい。そもそも僕にとってそういった思考は、たぶん《矩形の森》に刺激され啓発された空間感覚から始まっている。「気配」、「間」、「場」、「場面」、「場所」、「居場所」、あるいは「定位」といったタームの意味を、ここでもう一度僕なりに考察したい。ちなみに今回紹介されている《白のコートハウス》は、オープンデスクで構造模型をつくらせていただいたもの。浴室まわりの空間が好きだ。

保坂猛 : 「屋内でもなく屋外でもない」という空間概念
- 人は自然から身を守るためにシェルターをつくった。その後、シャットアウトした自然を取り込もうと窓を開けた。屋内に自然を取り込もうとする建築手法は、屋内と屋外を分けた歴史の延長上での概念である。だから分かれた当初の印象をどこかで引きずっている。屋内と屋外は概念として分かれたまま今日にいたった。

五十嵐さんの後に掲載されている保坂猛さんの《LOVE HOUSE》もとても気になる。保坂さんも述べているように、確かに「建物の屋内と屋外というテーマについては語りつくされ」ているが、それはやはり同時に思考の基本的スタンスに非常に大きく関わるテーマでもある。"屋内に自然を取り込もうとする建築手法は、屋内と屋外を分けた歴史の延長上での概念である"、というところは、そういったスタンスの「前提性」をめぐる問題を示唆している。

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by frdmoptn | 2005-12-23 18:41
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