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山手線が行ったと思ったらすぐに中央線と総武線が並行してやって来て、その向こうに埼京線が走り、湘南新宿ラインが猛スピードで通過している。新宿駅のすぐ北側の高架橋、通称「大ガード」は、東京の西と北を網羅する複数の路線が幾重にも凝集して行きかっていて、その下を行き過ぎる膨大な人と車のうねりの海に、ひっきりなしに轟音をけたたませている。一日あたり400万人という世界首位の乗降客数を誇る新宿駅と、そのまわりに広がる、一日あたり170万人を集客する繁華地区。いま僕は目線の先に、大ガードをくぐりぬけている人と車の流れと、もうすぐ大ガードを通過しようとしている山手線が、ぎゅうぎゅうに乗客をつめこみながらむこうからやってくるのを確認しながら、まもなくそこを自転車でくぐりぬけようとしている。電車の中のほとんどの乗客は僕の姿に気づいていないに違いないが、気づいている乗客ももしかしたらいるかもしれない。僕がくぐる瞬間と電車が通過する瞬間が、大ガードの上下で完全に一致しそうな状況にあるのを理解しながら、一気にそこをくぐりぬけていく。ある種の質感を伴った生々しい轟音が、全身を揺るがして響きわたる。頭上で平行移動する「無数のまなざし」の軌跡を、イメージの中で追う。大ガードの上下で繰り広げられている、「無数のまなざし」と僕自身との、得体の知れない「交錯」。そのことに何かどうしようもない戦慄を覚えながら、歌舞伎町の喧騒へと抜けだす。400万人の動線と170万人の動線が、大ガードで「垂直に」絡み合う壮絶さ。
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by frdmoptn
| 2006-07-12 12:32
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