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0 3 7 8  偶有性 
contingency

身体や社会的諸関係は、もう土地空間から完全に切り離されている。都市がかつてのような空間的なまとまりとしての構成体ではなく、資本制のメカニズムの中で不断に変化しつづける偶有的な構成体とでもよぶべきものとなった状況下で、都市の「風景」を統一的に論じることの意義とその効力は、果たしてどれほどのものだろうか。少なくとも、社会的諸関係が空間と密接に連関していた近代以前の都市を参照しながら、空間形態の側面で理念的・想像的な風景論を展開していくことは、何かとても空疎で、どこか根本から位相が違うという気がする。空間はもう永遠性を担保しえない。建築が基盤とすべきは、もう土着の場所性や空間性ではなく、ただ僕らがその場に存在している(し始めた)ことへの偶有性ということなんじゃないか。

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参照 : 若林幹夫/都市の比較社会学―都市はなぜ都市であるのか
by frdmoptn | 2006-03-14 20:49
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